舞茸は栄養満点!知らなきゃ損する舞茸の効能と調理のポイントを解説
みなさん舞茸の栄養価と驚きのパワーを知っていますか?

舞茸は「見つけた人が舞うほど喜ぶ」ことから舞茸と呼ばれるようになったほど、香り高く美味しいきのこなんです。
最近では人工栽培され、スーパーでもお馴染みのきのこです。
しかし意外にも、栄養価が高くダイエットや生活習慣病の予防にも期待できることはあまり知られていません。
今回は舞茸の効能と、栄養素を余すことなく摂取する調理のポイントを解説します。
ぜひ舞茸の栄養価の高さと、驚きのパワーを知ってくださいね。
舞茸とは

舞茸の香りの良さは松茸に匹敵するといわれており、栄養価の高いきのこです。
1年を通して販売されていますが、他のきのこに比べると出番は少ないのではないでしょうか。
そんな舞茸の旬や、美味しい舞茸の選び方、正しい保存法をご紹介します。
舞茸の旬はいつ?
1年を通して販売されている舞茸ですが、秋が旬な食材だとご存じでしたか?
天然物は全国各地で採れますが、「幻のきのこ」と呼ばれるほど希少でほとんどは現地で消費されてしまいます。
そのためスーパーなどで販売されている舞茸のほとんどが人工栽培されたものです。
人工栽培のため旬はないように思えますが、10~12月は流通量が増えます。
舞茸の選び方
スーパーで販売されている舞茸は石づきが付いているものと、付いていないものがあります。
石づきが付いているほうが日持ちが良いので、そちらを選んでください。
カサの部分の色が濃く、肉厚で密集しているものが美味しいです。
新鮮なものはカサや茎にハリがあり、触るとパキッと折れてしまいます。
鮮度が落ちているものは、茎の部分が湿っぽくしなびてきて触っても弾力がありません。
購入する際は、湿っぽいものは選ばず、弾力のあるものを選びましょう。
正しい保存方法
購入してきたパックのまま、冷蔵庫で保存している方がほとんどではないでしょうか。
しかし、舞茸は湿気に弱く、パックのまま保存すると蒸れてしまいすぐに傷んでしまいます。
鮮度が落ちると舞茸自慢の良い香りが、酸っぱい香りに変わり調理しても水っぽく美味しくありません。
舞茸の正しい保存方法を冷蔵と冷凍2パターンご紹介します。
【冷蔵保存】
①舞茸を乾いたキッチンペーパーで包む
②ジップロックなどの保存袋に入れる
③冷蔵庫の野菜室で保存する
舞茸は水気を含むとすぐに傷んでしまうので、洗わずに乾いたキッチンペーパーで包んでください。
舞茸は清潔な工場で人工栽培されています。農薬も使わず栽培されているため、洗う必要はありません。
乾いたキッチンペーパーで包むことで、舞茸からでる水分を適度に吸い取り、乾燥を防いでくれます。
舞茸はあまり日持ちしない野菜ですので、購入したら早めに食べきるか、新鮮なうちに冷凍しましょう。
【冷凍保存】
①食べやすい大きさに裂く
大きさはお好みで変えてください。汁物や炊き込みご飯などに使う場合は、小さめに裂いていくと使いやすいです。
天ぷらや鍋の具に使う場合は大きめに裂くと良いでしょう。
②ジップロックなどの保存袋に入れて冷蔵庫で保存
できるだけ空気を抜いて袋の口を閉じてください。空気に触れないようにすることで、酸化を避けることができます。
冷凍後は3週間ほどで食べきってください。長く冷凍保存していると「冷凍やけ」を起こして、触感や風味が悪くなります。
使いたい分だけ取り出し、早めに食べきりましょう。
冷凍した舞茸は自然解凍すると水分が出て、味や食感が悪くなってしまいます。
必ず凍ったまま加熱調理してください。
舞茸は冷凍すると旨味がアップするので、安いときにまとめて購入して冷凍することをおすすめします。
舞茸の栄養素

舞茸はとても栄養価の高いきのこです。きのこと聞くと食物繊維が多くお通じの改善やダイエットに良いイメージが強いですが、ビタミンや葉酸、カリウムなど体の調子を整える栄養素も多く入っています。
以下、舞茸に含まれる代表的な栄養素と効果をご紹介します。
ビタミンD
舞茸は他のきのこと比べるとビタミンDが豊富です。
ビタミンDの含有量はきのこの中でもトップクラスと言われており、舞茸100gで成人男女の1日に必要なビタミンDの半量を摂取することができます。
近年ビタミンDが不足している人が増えており、舞茸は安価で手軽に手に入るのでビタミンD不足解消にぴったりの食材です。
βグルカン
あまり聞きなれない栄養素かもしれませんが、βグルカンとは食物繊維の一種です。
特に舞茸に含まれる「不溶性βグルカン」には腸内環境を整える効果や免疫機能を高める効果があります。
ナイアシン
ナイアシンはビタミンB2の一種で、肌の代謝をサポートする栄養素です。
抗酸化作用も高く、肌の老化を防ぐアンチエイジング効果も期待できます。
ナイアシンが不足すると「ペラグラ」という欠乏症を発症します。
主な症状は赤い発疹や口舌炎、下痢などの消化器官症状、神経障害などがあり、予防するためにもしっかり摂取したい栄養素です。
トレハロース
舞茸に含まれるトレハロースは天然の糖質であり、血糖値の急激な上昇を抑える作用が期待できます。
肌の潤いを保つ作用もあり、乾燥からくる肌トラブルに効果があります。
チロシナーゼ阻害物
チロシナーゼ阻害物は、シミやそばかすの原因となるメラニンの活性化を抑える働きがあります。
舞茸を食べることで体の内側からシミ予防ができるため、夏場には積極的に摂取したい食品ですね。
葉酸
葉酸はビタミンB群の一種で、赤血球を作る「造血のビタミン」と言われています。
細胞の生産や再生を助ける作用があり、特に胎児の正常な発育に重要な栄養素です。
妊娠前や妊娠中にはしっかりと葉酸を摂取しましょう。
カリウム
カリウムは必須ミネラルの一つで、細胞内の浸透圧を調節して一定に保つ作用があります。
高血圧の原因となる塩分の排出を促し、血圧を正常に保ってくれるため、生活習慣病の予防にも効果があります。
ナトリウムと一緒に摂取することで、むくみ改善や心臓機能・筋肉機能の調節をする効果も期待できるため積極的に摂取しましょう。
ポリフェノール
ポリフェノールは強い抗酸化作用を持ち、動脈硬化などの生活習慣病の予防に期待できる栄養素です。
舞茸を煮ると煮汁が黒くなるため、「アク」と勘違いしている方も多いと思いますが、これは舞茸から出るポリフェノールです。
煮汁を捨ててしまうとせっかくのポリフェノールが摂取できなくなるため、捨てずに一緒に飲むようにしましょう。
銅
銅はヘモグロビンの合成を助ける働きがあり、貧血解消には必要不可欠な栄養素です。
貧血予防のため鉄をたくさん摂取しても、銅が不足していると赤血球がうまく作ることができず、鉄の吸収率も下がってしまいます。
貧血が気になる方は鉄と一緒に銅も積極的に摂りましょう。
舞茸の効能

舞茸には多くの栄養素が含まれていますが、どんな効能があるのでしょうか?
きのこ類には便秘改善やダイエットなどの効果が有名ですが、舞茸には他にもたくさんの効能があります。
一つずつ見ていきましょう。
美容効果
舞茸にはビタミンやトレハロースが多く含まれており、ビタミンB2は“美容ビタミン”と呼ばれ、皮膚や粘膜などを健やかに保ち、肌荒れやニキビを防ぐ働きがあります。トレハロースは肌の保湿に良いとされ美容液に利用されています。さらに美白ケアが気になる方に嬉しいチロシナーゼ阻害物も含まれており、シミやくすみの原因となるメラニンの活性化を抑える効果も期待できます。
ダイエット効果
舞茸のカロリーは100gあたり16キロカロリー、糖質も100gあたり1gにも満たないほど低く、ダイエットには最適な食材です。
舞茸には「キノコキトサン」という成分が含まれており、脂肪の吸収を抑える働きがあります。
さらに噛み応えがあるため、少量で満足感が得られ、食べ過ぎを防止できます。
免疫を高める
舞茸には「αグルカン」や「βグルカン」などの免疫細胞を活性化させる栄養素が豊富に含まれています。
さらに舞茸に多く含まれるビタミンDは免疫をサポートする効果があり、「αグルカン」や「βグルカン」と一緒に作用し、免疫力の向上に期待できるのです。
動脈硬化や生活習慣病の予防改善
舞茸に多く含まれる食物繊維のβグルカンは、不溶性のため腸まで届き腸内の悪玉コレステロールを吸着して体外へ排出してくれます。
その結果、血中の悪玉コレステロール値を下げる効果があります。
糖尿病
糖尿病は膵臓からのインスリン分泌がスムーズに行われなくなり、食後急上昇した血糖値を正常値まで下げることができなくなります。
舞茸は食物繊維が豊富に含まれており、食物繊維は腸の中に長時間滞在するため糖の吸収を阻害し、その結果血糖値の上昇を穏やかにしてくれます。
さらに舞茸には、インスリンの材料となる亜鉛も含まれている食材です。
骨や歯を丈夫に
カルシウムは歯や骨を丈夫に保つために必要不可欠ですが、体に吸収されにくいな栄養素でもあります。摂取したカルシウムの約半分は吸収させず、体外へ排出されてしまいます。
そこで一緒に摂取してもらいたい栄養素がビタミンDです。
ビタミンDは腸からカルシウムの吸収をサポートする効果があり、舞茸はキノコ類の中でもビタミンD含有量はトップクラスです。
乳製品などのカルシウムを多く含む食材を食べる時は、舞茸を一緒に食べることをおすすめします。
便秘改善
舞茸には不溶性食物繊維がたくさん含まれており、便秘の改善に効果があるとされています。不溶性食物繊維は体内の水分を吸収すると、数十倍に膨らみます。
膨らんだ不溶性食物繊維は、腸を刺激してぜん動運動を活性化させ、排泄を促してくれます。
便秘改善には食物繊維が必要不可欠なので、便秘に悩んでいる人は摂取することをおすすめします。
肥満予防
舞茸には水溶性食物繊維もたくさん入っており、肥満予防の役割もあります。
水溶性食物繊維は体内の水分を吸収して、ヌルヌルのゲル状に変化します。
ゲル状に変化すると、体内の余分な脂肪や老廃物の吸収を和らげる作用があり、肥満予防に期待できると言われています。
調理のポイント

舞茸の調理のポイントはいくつかあります。
舞茸は水で洗うと風味が失われてしまいます。下ごしらえする時は、水洗いせずそのまま調理しましょう。
舞茸は清潔な工場内で人工栽培されており、虫や農薬の心配がありません。
汚れが気になる時は、キッチンペーパーで優しくふき取りましょう。
舞茸を水洗いしてはいけないもう一つの理由は、舞茸には水溶性の栄養素が多く含まれていることです。
洗うだけで栄養素が流れ出てしまうため、そのまま調理しましょう。
Caと一緒に摂取しよう
舞茸に多く含まれるビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。
カルシウムは単体で摂取しても吸収されにくいため、ビタミンDが豊富な舞茸と一緒に調理することで、効率よく摂取できます。
油で炒めるとGOOD!
舞茸に含まれるビタミンDはキノコ類の中でもトップクラスとお伝えしましたが、ビタミンDを余すことなく摂取するには油と一緒に食べることが重要です。
きのこに含まれるビタミンDは脂溶性のビタミンで、油に溶け込む性質があります。
そのため、油で調理することによって体内での吸収率がアップし、舞茸に含まれるビタミンDを余すことなく摂取できるのです。
ビタミンDをたくさん摂取したい方は、舞茸の天ぷらやバター炒めなど、油分を使って調理することをおすすめします。
タンパク質分解酵素を上手に使いこなそう
舞茸には「プロテアーゼ」というたんぱく質分解酵素が含まれています。
たんぱく質は加熱すると、固まる性質がありますが、この「プロテアーゼ」はたんぱく質が固まるのを阻害する働きがあります。
よく茶碗蒸しに舞茸を入れたら固まらなかったという話を聞きますが、これは舞茸に含まれる「プロテアーゼ」が卵のたんぱく質を分解し、凝固する働きを阻害したために起こる現象です。
強いたんぱく質分解作用のある「プロテアーゼ」ですが、加熱することでその働きをなくすことができます。
茶碗蒸しに舞茸を入れたい時は一度加熱してから加えてください。
この「プロテアーゼ」を使うことで安くて硬いお肉を、柔らかくすることで知られています。肉の下味をする時に生の舞茸を一緒に入れて、漬け込んでから加熱するとお肉がとても柔らかくなるそうです。
鶏むね肉のパサパサが苦手な方や、買ってきたお肉が硬かった場合にぜひ試してみてください。
まとめ

今回は栄養満点の舞茸の効能や調理のポイントなどを解説しました。
舞茸は価格も安く、スーパーでもよく見かけるお馴染みのきのこです。
しかし栄養価の高さやお肉を柔らかくする驚きのパワーはあまり知られていません。
ダイエットや便秘改善はもちろん、生活習慣病の予防もできるおすすめの食材です。
ぜひこの機会に舞茸を食べてみてください。